1つの仕事を定年退職まで続けるのか、それとも転職をしながら自分にあった仕事を見つけるのがいいのか悩む事があると思います。
転職は、さまざまな仕事を経験できるというメリットはありますが、企業の採用担当者にとっては、「すぐに辞めてしまうのではないか」とネガティブなイメージに繋がってしまうこともあります。
では、どのぐらいの転職回数であれば許される範囲なのか?
また、既に転職回数が多い人はどのように成功に繋げていけばいいのか?
気になると思います。
そこで今回は、採用担当者が転職何回を確認する理由から、転職回数が多い人が転職を成功させる方法について説明していきます。
転職回数が多いと選考で不利になりそうで不安
好きではない仕事を長く続けるのは、モチベーションの維持が難しくなるので辛くなってしまいます。
かといって、転職をすると繰り返していると選考で不利になってしまうので、だんだんと仕事が見つけにくくなってしまうのではないかと不安になります。
辞め癖がついてしまうのはよくありませんが、納得できる理由であれば、転職回数が多くても採用担当者は理解してくれます。
仕事を辞める理由は、仕事の内容に限らず、職場の人間関係にストレスが原因な場合もあります。
その状態で続けることは、精神的にも辛くなってしまうので、時には自分を守るためにも辞めることは必要な判断です。
会社によって見方は変わってくるので、不利になってしまうと心配をすることはありません。
採用担当者の立場になってしっかり理解することが大切です。
転職は何回まで良いのか
20代と30代は、まだ挑戦できる歳でもあるので、転職を経験する人の割合は比較的多いです。
しかし、転職回数が多くなってしまうと書類選考で不利なイメージがついてしまいます。
では、何回までなら良いのか?年齢別に説明していきます。
- 20代は転職回数2回以内が目安
- 30代は転職回数4回以内が目安
それぞれ詳しくみていきましょう。
20代は転職回数2回以内が目安
20代は、やりたい仕事や自分に合う仕事を未経験の仕事や業界に挑戦をしながら考える時間があるので、転職が一番しやすい時期になります。
比較的若い人のほうが将来性があり、適応能力も高いので書類選考を通過する確率が高いです。
新卒で初めて勤めた会社が、労働環境が悪いブラック企業で転職をしたケースは少なくありませんので、転職を一度経験していても、転職回数0回の人とほとんど同じ扱いになります。
しかし、20代がチャレンジができる時期とは言えど、何回も転職をしてしまうのは印象がよくありません。
転職回数が2回を超えてくると、「飽きっぽい性格で簡単に辞めるのでは?」と思われてしまいます。
また、「コミュニケーション能力が低く、仕事を協力してできない人なのかな?」と思われることもあるので、やりたい仕事を探すために何度も転職を繰り返すことはおすすめできません。
ただ、人手不足の場合や、専門知識や資格を持っている場合は、転職回数が2回以上でも問題なく採用されることがあります。
30代は転職回数4回以内が目安
30代は、20代と比べて社会経験が豊富のなので、個人の能力を評価する会社にとっては即戦力として期待されます。
また、ビジネスマナーやコミュニケーション能力が高いので、仕事に対する責任感が強く、長く続けてくれる安心感があります。
このように30代は、経験が浅い20代には得られにくいものを持っているので、転職回数が多くても企業にとってメリットは十分にあります。
ただし、短期間で転職を繰り返す方や4回以上の転職経験がある方は、明確な理由がない限り、ネガティブイメージを持たれてしまいます。
職種や業種によっては転職回数がほとんど影響しない場合もありますが、時代の変化、環境に変化に対する適応力や柔軟性は20代よりもかけてしまうので、転職を繰り返すのは返って自分を苦しめることになるので良くありません。
一般的に年齢を重ねれば転職ハードルは高くなってしまうので、どの職種でどの会社で長く勤めたいのか見つめ直す事が大切です。
転職回数が多いと選考に不利になるのか
転職回数が多いと不利になるのではないか?と不安になります。
採用担当者には「転職回数が多い」という印象を与えてしまいますが、転職成功率には実は関係性ありません。
その理由は、企業によって採用基準が違うことと、応募者の人間性やスキルによるからです。
転職回数が少なくてもアピールできる実績がなければ、必要な人材として認められません。
逆に、転職回数が多くても、「さまざまな現場で経験を積み上げるため」や「専門スキルを磨くため」とポジティブな理由で優秀さをアピールできれば、採用されやすくなります。
また、採用担当者は、これから会社を大きくしていくパートナーとして一緒に働きたい人なのか、人間性も見ているので転職回数による影響は大きくありません。
企業が選考時に転職回数を確認する理由
企業にとって、応募者の転職回数は判断材料になります。
しかし何故、転職回数を確認するのか?大きく次の3つが挙げられます。
- 長い間勤めてくれるか不安だから
- 良い人間関係を築けるか不安だから
- 新しい環境に馴染めるか不安だから
それぞれ詳しく見ていきましょう。
理由1:長い間勤めてくれるか不安だから
転職回数が多い人のデメリットとして代表的な理由が、「すぐに辞めてしまうのではないか」と思われることです。
企業は、応募者を採用した後は仕事を覚えてもらうために、お金と時間と労力をかけます。
もし、入社して成果を出せないまますぐに辞めてしまうと、会社へ損失を与えてしまいます。
そのため、転職回数が多い人を採用する場合は慎重になるわけです。
特に、短期間で転職を繰り返している場合は、「飽きっぽくてすぐに別のことをやりたくなるタイプなのでは?」と思われてしまうので、回数だけではなく在籍年数も確認することがあります。
理由2:良い人間関係を築けるか不安だから
どれだけ過去の実績があって仕事ができる人でも、一緒に仕事をする仲間とコミュニケーションが取れなければ、生産性が低下したり、ミスをしたりしてしまうことに繋がります。
また、自己主張が強く、人の意見を聞かない職人気質な性格であれば、単独行動をする事が多いため協力して仕事をすることはできません。
転職の理由が、今まで働いていた職場の人間関係が悪く、働きにくいブラックな企業だったからという理由であれば納得されることはありますが、それが本人の性格の問題であれば、いくら能力があったとしても会社としては採用をするのが不安に感じます。
働いてから人相が変わる人もいるので、人間関係によるトラブルで仕事に支障が出てしまうので採用者にとっては防ぎたいところです。
そのため、転職回数が多いほど、本人の人間性を疑われてしまうデメリットがあります。
理由3:新しい環境に馴染めるか不安だから
新しく入社した社員が長く仕事を続ける人になるには、職場の環境に馴染むことができるかが鍵になってきます。
会社の方針や経営理念よって職場の雰囲気は違うため、会社の集団生活で設けられたルールをしっかり守り、積極的にコミュニケーションを取ることが重要です。
この行動ができるかで周囲からの印象も変わってきます。
しかし、前職の環境に慣れてしまい、新しい環境になかなか馴染む事ができない場合もあります。
そうなってしまうと、仕事の覚えが遅く、成果を出せないままになってしまうこともあるので辞めてしまう可能性が高くなります。
基本的に企業は、「長く勤務してほしい」と考えているので、スキルや経験が十分であっても、新しい環境へ対応能力や姿勢を感じられなければ採用を見送ることがあります。
転職回数が多い人が転職を成功させる方法
転職回数は転職成功率と関係はありませんが、回数が多いと採用担当者によっては、「すぐに辞めててしまう人」というイメージを持たれてしまいます。
面接の時は、質問をしながら長く仕事を続けてくれる人なのかを確認するので、その時の受け答えで内定率は変わります。
また、企業によって見るポイントは変わるので、転職を早く成功させたい場合は、応募をする段階から転職しやすい企業を選択することも大切です。
転職回数が多い人が転職を成功させる方法を4つご紹介します。
- 専門性の高い分野を狙う
- 人材が不足している業種・職種を狙う
- 転職理由について肯定的に説明する
- 企業に役立つ実績やスキルについてアピールする
それぞれ詳しく見ていきましょう。
方法1:専門性の高い分野を狙う
専門性の高い業種のお仕事は、転職回数よりも本人の能力や専門知識を優先して評価するため、今まで専門職を長く実務してきた経験がある方や資格を持っている方は採用されやすくなります。
専門性の高いお仕事として例えば、エンジニア、建築士、介護士、看護師、心理カウンセラー、教師、などがあります。
資格を取得するための勉強期間と試験の費用は必要ですが、比較的専門職の方が給与は高く、何度も転職を繰り返すことなく、確実に転職を成功させる事ができます。
転職回数が多い場合は、ブラック企業だったからという理由ではなく、「自分の成長やキャリアアップのため」「もっと能力を発揮するため」といった理由で答えると、目的意識があり好印象を持たれます。
方法2:人材が不足している業種・職種を狙う
人手不足の業界は、即戦力を必要としているので、専門知識や資格を持っていなくても採用されやすいです。
人手不足の傾向が強い業界として、「建築・土木業界」「運送・流通業界」「飲食・サービス業界」「医療・介護福祉業界」「IT業界」が挙げられます。
建築・土木業界は、リーマンショックによって建設需要が一気に落ち込んだことや、震災の復興工事が人手不足の原因になっています。
運送・流通業界は、ネットショッピング等の需要拡大に伴いドライバー不足が原因になっています。
飲食・サービス業界は、社会的地位の高い仕事と見られることがあまりないため応募する人が少なく、人手不足になっています。
医療・介護福祉業界は、少子高齢化の進行により需要が高まっているためです。今後も業界の規模が拡大していき、人手不足が加速すると予想されています。
IT業界は、情報化が進む中でIT業界の市場は大きくなっているため、今後もエンジニアやプログラマーが必要になってきます。また、新しい技術であるAIやIoTの仕事も増えていくため、今後もIT業界の需要は伸びていきます。
業界によって、人手不足になりやすい時期も変わってくるので、希望の職業がある場合は、その時期を狙うことも大切です。
方法3:転職理由について肯定的に説明する
面接の際に退職した理由として、前の職場の労働環境や人間関係を原因をして話すことはよくありません。
それは、本人の仕事に対する姿勢や人間性の問題な場合もあるため、採用担当者にとっては評価がしづらいです。
また、何かを学んだといったプラスな考え方ではなく、周りの環境のせいにするような人間としても捉えらえてしまいます。
そのため転職理由は、キャリアアップや自己成長などのプラスな理由が好ましいです。
また、マイナスポイントになるからと転職回数や経歴を偽ることもよくありません。
正直に伝えることも一つ、人間性の評価として見られるので偽流ことなく伝えましょう。
方法4:企業に役立つ実績やスキルについてアピールする
企業は、給与を支払う訳なので、時間ではなく成果を出せる人なのかを見ます。
そのため、会社に貢献するスキルや実績を持っているのかで採用される確率は変わってきます。
アピールする際に「こんなことをしたい」「こんなスキルを伸ばしたい」と個人的な希望や熱意を語ることは悪くありませんが、それだけでは個人の能力が分からないので、「入社したら、どんな利益を生み出してくれるか」が伝わるように話すことが重要です。
転職回数が多い人でも明確な理由やスキルがあれば転職は成功する
転職回数が大きいとマイナスなイメージを持たれてしまうので、転職する時は、不安になります。
しかし実際には、転職回数ではなく転職理由が重要です。
その理由によって採用決定率が変わってくるので、「退職した理由は何なのか?」を肯定的で、明確に伝える事が大切です。
プラスの側面をアピールするために、複数の会社を経験したからこそ学べたこと、身に付けたことを話すと良いでしょう。
労働環境が良くなかった場合は、愚痴や不満だけで終わらないよう注意も必要です。今までの失敗を踏まえて、今回の転職活動ではしっかりと企業研究をして臨んでいることを伝えるようにしておきましょう。
転職回数が多くても不安になることなく、自信を持って挑みましょう。
