転職活動中の人に「退職理由」を聞くと、前職に対する不満を挙げる人が多くいます。
しかし、その状態では、転職先を探す時に必要以上に考えて悩んでしまったり、面接時には採用担当者へ悪い印象を与えてしまったりします。
そうなってしまわないよう、ポジティブに変換することが重要です。
しかし、どう言い換えることができるのか?その方法が分からず、悩んでしまうこともあると思います。
そこで本記事では、ネガティブがNGな理由と転職理由をポジティブに変換する方法についてご紹介します。
転職理由がネガティブだとなぜダメなのか
まず、ネガティブな理由として、「人間関係の悪さ」「仕事内容への不満」「長時間残業への不満」「キャリアや経験への不満」「給与への不満」などが挙げられます。
これらの理由は愚痴のように感じるため、面接時には「人間関係を理由にまたすぐ辞めてしまうのではないか」「仕事を任せても不満を持つのではないか」と思われてしまいます。
企業側の立場に立って想像してみると分かりますが、ネガティブに物事を捉える人と前向きに考える人はどちらを採用したいと思いますか?
もちろん、前向きに考える人の方が向上心があって成長できる見込みがあるので、採用したいと思うはずです。
もし、今の転職理由がマイナスなイメージのままだと、転職に失敗してしまうので、ポジティブに変換する方法と考え方を身に付けましょう。
転職理由をポジティブに変換する5つの方法
ネガティブな転職理由をどう言い換えできるのか?
ここでは、転職をポジティブに変換する方法を5つご紹介します。
- 1.転職理由「人間関係の悪さ」をポジティブに変換する方法
- 2.転職理由「仕事内容への不満」をポジティブに変換する方法
- 3.転職理由「長時間残業への不満」をポジティブに変換する方法
- 4.転職理由「キャリア/経験への不満」をポジティブに変換する方法
- 5.転職理由「給与への不満」をポジティブに変換する方法
一つずつ詳しく見ていきましょう。
1.転職理由「人間関係の悪さ」をポジティブに変換する方法
人間関係による退職理由には、「上司からのパワハラ」「職場の人と性格が合わない」「競争が激しい職場で数値ばかり負わされる」などがあります。
しかしこのままでは、「ストレス耐性がない」「すぐわがままを言う人」「コミュニケーション能力がない」と受け取られてしまいます。
そこで、次のようにポジティブに変換しましょう。
上司からのパワハラ
→自発的に行動し、自分の裁量で仕事ができる企業で働きたい
職場の人と性格が合わない
→協調性やチームワークが重要となる職場で働きたい
競争が激しい職場で数値ばかり負わされる
→文書作成や社内のシステム運用など社員をサポートする分野で力を発揮できる
2.転職理由「仕事内容への不満」をポジティブに変換する方法
仕事内容の不満による退職理由には、「現職の会社で仕事が面白くない」「やりがいがない」「希望の職種に配属してもらえない」などがあります。
しかしこのままでは、「無いものねだりばかりで努力をしない人」「興味のない仕事はやらない人」と受け取られてしまいます。
そこで、次のようにポジティブに変換しましょう
現職の会社で仕事が面白くない
→経験を活かせる新たな業界、環境で働きたい
やりがいがない
→キャリアチェンジするために資格取得の努力をしている
希望の職種に配属してもらえない
→もっと専門性の高い仕事に就き、スキルを磨きたい
3.転職理由「長時間残業への不満」をポジティブに変換する方法
長時間労働による不満で「サービス残業が多すぎる」という退職理由で辞める場合もあります。
しかしこのままでは、「融通が効かない人」「責任感がない人」と受け取られてしまいます。
そこで、次のようにポジティブに変換しましょう
サービス残業が多すぎる
→効率的に仕事をして、さらに成果を挙げたい
→スキルアップに投資する時間が確保できない
4.転職理由「キャリア/経験への不満」をポジティブに変換する方法
キャリアや経験による退職理由として「会社の将来性を感じない」「長期的に働くビジョンが持てない」などがあります。
しかしこのままでは、「仕事への意欲がない」「短期間ですぐに辞める人」と受け取られてしまいます。
そこで、次のようにポジティブに変換しましょう
将来性を感じない
→企業研究を行い将来性を感じている
長期的に働くビジョンが持てない
→より専門的な業務に携わり、貢献したいため
5.転職理由「給与への不満」をポジティブに変換する方法
給与への不満で「給与が安いから」という退職理由で辞める場合もあります。
しかしこのままでは、「ラクして稼ぎたい人」と受け取られてしまいます。
そこで、次のようにポジティブに変換しましょう
給与が安いから
→努力や実績を正当に評価してくれる会社で働きたい
転職理由をポジティブに変換するための手順
ネガティブな転職理由をポジティブに変換する時は、どのように行えばいいのか?
ここでは、転職理由をポジティブに変換するための手順を3つご紹介します。
- 転職理由を変換する手順1:退職時の不満を書き出す
- 転職理由を変換する手順2:不満が解消されたらできることを考える
- 転職理由を変換する手順3:できることから希望を導き出す
一つずつ詳しく見ていきましょう。
転職理由を変換する手順1:退職時の不満を書き出す
まずは、現状の不安を書き出していきましょう。
例えば、
・部下の尻拭いばかりでやる気が出ない
・キャリアアップできる環境ではない
・職場の人と馴染めない
など、思いつく限り挙げてみてください。
もちろんネガティブなことばかりでも構いません。
転職理由を変換する手順2:不満が解消されたらできることを考える
次に不満が解消されたら何ができるのかを考えてみましょう。
・部下の尻拭いばかりでやる気が出ない→精神的に疲れなくなる
・キャリアアップできる環境ではない→求めるスキルが身につく
・職場の人と馴染めない→協力して仕事がしやすくなる
このように、問題や不満を解消できれば可能性が見えてくるはずです。
転職理由を変換する手順3:できることから希望を導き出す
最後に、できることから希望に導き出してきます。
「部下の尻拭いばかりでやる気が出ない」の場合
自分の時間を確保しながらも、関係者全員が力を合わせてプロジェクトを進めている御社のような会社で仕事をしていきたいと考え、志望しました。
「キャリアアップできる環境ではない」の場合
御社では成績に応じたインセンティブやポジションが得られるとうかがっています。御社に入社し、経済的な困難を克服し、キャリアアップを実現したいと考えています。
「職場の人と馴染めない」の場合
社外のセミナーに参加したり、社外の友人と交流して情報交換したりと、学びの時間も持ちたいので、もう少し余裕を持った環境で働きたいと思い、転職を決意しました。
転職によって、自分が叶えたい希望はどんなものなのかを面接官に伝えれる形にしていきます。
転職理由と退職理由の違い
転職理由と退職理由は、意味が同じように見えますが、実は違います。
間違って理解してしまうと、書類選考や面接時に恥をかいてしまうのでしっかり理解しておきましょう。
- 転職理由は未来のこと 退職理由は過去のこと
- 転職理由はポジティブなこと 退職理由はネガティブなこと
一つずつ詳しく見ていきましょう。
違い1:転職理由は未来のこと 退職理由は過去のこと
まず退職理由とは、転職をするきっかけ(現在の会社に向けてのメッセージ)を作った理由になります。
例えば、残業が多かった、給与などの待遇が良くなかった、会社内の人間関係が悪かった、将来性を感じなかった、などが挙げらます。
次に転職理由とは、あなたが今後どうなりたいかの理由(これからの会社に向けてのメッセージ)になります。
例えば、成果に応じた報酬を得たい、効率よく働きたい、一致団結して成果に繋げたい、向上心を持って働きたい、スキルアップをしたい、力を発揮したい、などが挙げられます。
つまり、退職理由は、「やりたくない」「できない」といった働き方への不満に対し、転職理由は、「こうしていきたい」「こうなりたい」という働き方への希望になります。
違い2:転職理由はポジティブなこと 退職理由はネガティブなこと
退職理由は、「何の不満があって退職したのか」というネガティブ理由になります。
一方で転職理由は、「何を期待して転職しようとしているのか」というポジティブな理由になります。
ちなみに転職や退職の理由を聞く理由は、
①仕事に対する意欲やモチベーションを確認するため
②前職と同様の理由で再び辞められる可能性がないかを確認するため
③人物像を確認するため
になります。
したがって面接の時には、退職理由(退職経緯)と転職理由(志望動機)を合わせて聞かれるのが一般的です。
例えば、退職理由が「嫌な上司が多く人間関係が嫌だった」、転職理由が「周りメンバーと連携を取りチームワーク良く仕事を進めたい」といった場合は、
(例)前職では、周りのメンバーと作業する機会がなく個人作業が主業務だったのですが、私は周囲のメンバーと協調しコミュニケーションを取りながら作業を進めるのを得意としており、その方がより高い成果を上げることができるのではという思いが強まり、退職することを決意いたしました。
このように、きっかけである退職理由と今後の取り組みである転職理由を繋げることで、面接でも受け答えができる状態になります。
転職理由を伝える時の注意点
ポジティブに変換することが大切ですが、無理に偽ってすり替えることはよくありません。
その理由は2つあります。
1つ目の理由は、理由を偽ってすり替えられると、面接官にとって、それが本当の理由が分からなくなってしまい評価が難しくなってしまうからです。
また、正しい評価ができないので、もし内定がもらうことが出来たとしても、入社した後に、嘘を付いていたことが表に出てしまい、「あれ?面接の時に言っていたことと違うよ」と疑われてしまうことになります。
2つ目の理由は、偽ったことがバレてしまい、信用をなくしてしまうことです。
面接官は多くの求職者の面接を経験してきているので、面接対策の回答例に書いてある内容とほとんど同じような形式で話していると、「この人が言ってることは本音ではない」と気づきます。
面接官は、人間性を見るためにも質問しているので、少しでも会話に違和感があれば、気づかれてしまい、不採用になってしまいます。
ポジティブに変換するというのは、偽ることではなく、捉え方を変えることなので、どうしてもわからない時は無理に変換せずに素直に伝えることも大切です。
また、転職エージェントを利用すれば、転職理由を一緒に考えてくれるので、求人を探すだけではなく、相談としても活用することが出来ます。
ネガティブな転職理由はポジティブな希望に変換して伝えよう
ネガティブな理由な状態で転職活動を続けていると、転職先探しに失敗したり、面接に落ちてしまいやすくなります。
そこで、ポジティブに変換することで、転職先も目的に合った会社選択ができ、面接の時は、前向きな姿勢で就きたい気持ちが伝わるので、評価も良くなります。
しかし、無理にする替えて偽ってはいけませんので、必ず正直な理由にしましょう。
誠実さがあることが前提なので、正しくポジティブに変換して、転職の成功率を上げましょう。
もし、ポジティブの変換する方法が分からなくなったときには、ぜひ本記事を参考にしてください!
