スキルなしでも、コツを押さえて転職活動をすれば内定を得ることは可能です。
ただし、成功するためのコツは転職する年代によって異なります。そこで、20代、30代、40代の年代別に転職に成功するためのコツを紹介します。
スキルなしだと転職は難しいのか
「転職したいけれど、コレといったスキルもないので難しいかもしれない」と思い悩んでいませんか。
年齢や志望する業界・企業などにもよりますが、適切に転職活動を行えばスキルなしでも内定を得ることは不可能ではありません。
20代であれば若さそのものが武器になるため、スキルなしであることは大きな障害にはならないでしょう。
30代、40代でも、年代別のコツを押さえて活動すれば内定を得られる可能性は少なくありません。
ここでは、20代・30代・40代の年代別にスキルなしで転職を成功させるコツを紹介します。
スキルなしでも転職を成功させるコツ【20代編】
転職市場では、若い方が有利な傾向があります。20代であれば、以下の4つのコツを押さえて活動すれば転職に成功する可能性は高いです。
- スキルなし転職のコツ1:将来のキャリアを考えて転職先を探す
- スキルなし転職のコツ2:若さと将来性をアピールする
- スキルなし転職のコツ3:社会人経験をアピールする
- スキルなし転職のコツ4:仕事への意欲を示す
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
スキルなし転職のコツ1:将来のキャリアを考えて転職先を探す
転職先は「給料や待遇が良いことろ」「知名度のある会社」「事務職ならどこでもいい」などといったばくぜんとした理由で決めてはいけません。
自分が何をしたいのか、キャリアをどのように築いていきたいかを考え、それが叶う会社を選ぶことが大切です。
たとえば、「SEとして技量を磨き、将来的にプロジェクトマネージャーとして活躍したい」と考えているのであれば、教育を重視し、SIer任せではなく自社で製品を開発している企業が良いなど、選ぶべき企業が見えてくるでしょう。
つまり、将来はどのようになりたいかを明確にし、そのためにはどのようなステップが必要かを考え、それが実現できる会社を探すことが大切です。
このように考えて転職先として決めた企業であれば、面接の際も説得力ある志望動機を話せるため、内定にぐっと近づけます。
スキルなし転職のコツ2:若さと将来性をアピールする
転職市場において、20代という若さはそれ自体が強い武器となります。
社会人経験があり教育にコストをかけずにすむうえ、柔軟で吸収力も高く、すぐに仕事を覚えて自社に貢献できる人材に成長する可能性が高いからです。
目立ったスキルなしでもあまり心配する必要もないでしょう。
なぜなら、20代は誰であっても業務経験が豊富とはいえず、スキルや実績が不十分でもしかたのない面があるからです。
それよりも選考ではポテンシャルを重視しますので、以下のようにまだ若く高い将来性があることをアピールすると良いでしょう。
- 若いので物事に柔軟に対応できるのが強みです。
- 将来○○なりたいと考えており、そのために××に関する知識を深める勉強中で、資格取得も目指しています。
スキルなし転職のコツ3:社会人経験をアピールする
企業が20代の若い転職希望者を採用するときは、高いスキルがあるかどうかはあまり重視しません。
多くの国内企業で、20代は育成期間ととらえている傾向があるからです。
これまで働いていた人であればスキルなしでも、さまざまな業務を経験しているでしょう。
「新人のメンターとして指導・教育にあたることで、作業手順を見直すきっかけになり業務効率化に貢献できた」「チームで連携して取り組み、課題を解決した」など、さまざまな経験から学んできたことがあるはずです。
面接ではそのような経験を話すと良いアピールになります。
スキルなし転職のコツ4:仕事への意欲を示す
20代の転職希望者は若さ自体が強みになりますが、それだけでは内定にたどりつくことはできません。
仕事に対してどれだけ意欲や熱意があるかを伝えることも大切なポイントとなります。
これは、中途採用する企業にとってほしいのは、長く勤めて自社に貢献してくれる人材だからです。
いくら若くポテンシャルがあっても、仕事への意欲が感じられないのであれば魅力ある人材とは映りません。
面接では、志望企業を選んだ理由や採用されたらどのように働きたいかといったこととを熱意を持って伝えましょう。
このとき、「将来は○○になりたいと考えている、それが実現できるのが御社の○○職だった」という視点で話せば「同業他社ではなく、その企業を選んだ理由」が伝わり、説得力が増します。
スキルなしでも転職を成功させる3つのコツ【30代編】
30代に入ると、20代よりは転職の難易度がややあがります。
とはいえ、コツを押さえて活動すれば成功することは無理ではありません。
ここでは、30代のスキルなし転職志望者が転職に成功するために押さえておきたい3つのコツを詳しく解説します。
- スキルなし転職のコツ1:実践的なスキルをアピールする
- スキルなし転職のコツ2:年収が下がる業界・職種も視野に入れる
- スキルなし転職のコツ3:30代に強いアドバイザーに相談する
スキルなし転職のコツ1:実践的なスキルをアピールする
ビジネスでスキルというと、何か特殊な技能や技術をイメージする人も多いでしょう。
しかし、実際にはそうではなく、ここでいうスキルは「業務に役立つ技術や能力全般」を意味します。
たとえば、コミュニケーションスキルや質問スキル、スケジュール調整能力などもビジネスにいては非常に重要な役割を持つスキルなのです。
スキルなしだと思っていても、自分がこれまでにかかわってきた業務とその結果を棚卸してみると、意外にスキルがあることに気づくのではないでしょうか。
たとえば、以下のような調子です。
- 取引先とすぐに仲良くなれるコミュニケーション力がある
- 目標を設定して都度進捗を確認したり、必要に応じて軌道修正するのが得意なので目標管理力がある
これを、裏付けするエピソードをそえて伝えると説得力あるアピールとなります。
スキルなし転職のコツ2:年収が下がる業界・職種も視野に入れる
スキルなし、これといった実績もなしでの30代の転職は、それほど簡単ではありません。
可能であれば、もう少し今の職場でがんばり特殊なスキルを身につけたりマネジメント経験を積んだりしてから転職を検討することが望ましいです。
とはいえ、ブラック企業に勤めていたりリストラされたりで、すぐにも転職したい人もいるでしょう。
その場合、年収や職位が下がることも覚悟して、人手不足の業界・職種に応募するのも1つの選択肢ではあります。
人手が欲しいため採用される可能性は高く、そこでがんばってキャリアを積むのも良いでしょう。
以下にあげるのは特に人手不足の業界です。
- 運輸業、郵便業
- サービス業(ほかに分類されないもの)
- 医療、福祉
- 宿泊、飲食サービス業
- 建設業
スキルなし転職のコツ3:30代に強いアドバイザーに相談する
30代の転職希望者が内定を得るためには、転職エージェントの利用が欠かせません。
転職エージェントはキャリアカウンセリングを行って自分では気づかない強みやスキルを引き出し、条件にマッチする案件を紹介してくれるため、転職活動を効率よく進められるからです。
とはいえ、転職エージェントにはハイキャリア求人を得意としているところもあれば第二新卒や既卒の転職支援に力を入れているところもあります。
そのため、何が得意なところなのかを見極め、30代の転職実績が高い転職エージェントを選ぶことが大切です。
転職エージェントを活用する際は、まず複数の会社に申し込んで実際にキャリアアドバイザーに会いましょう。
そのなかで特に信頼できそうだと感じたところを、活動の主軸とするのがおすすめです。
スキルなしでも転職を成功させる3つのコツ【40代編】
40代の転職は、30代よりさらに厳しい傾向があるため、数多くの企業に応募する必要があるでしょう。
とはいえ、適切に活動すれば内定を得ることは不可能ではありません。
ここでは、スキルなしの40代が転職活動をする際、押さえておくべき3つのコツについて詳しく説明します。
- スキルなし転職のコツ1:マネジメント経験をアピールする
- スキルなし転職のコツ2:資格重視の業界を目指す
- スキルなし転職のコツ3:40代に強いアドバイザーに相談する
スキルなし転職のコツ1:マネジメント経験をアピールする
企業が単純にプレイヤーとして優れた人材が欲しいのであれば、伸びしろがある20代を優先して採用するでしょう。
40代の転職希望者を採用する場合、マネジメント能力を期待しているケースが多いです。
そこで、選考ではマネジメント経験をアピールするとプラスの印象を与えられます。
とはいえ、「役職についたこともないし、マネジメント能力があるとはいえない」と考える人もいるかもしれません。
しかし、これまでに役職についた経験がなくても、マネジメントに相当する業務を担当してきたことはあるでしょう。
たとえば、少規模なものでもプロジェクトを任されたり、チームリーダーとしてメンバーを統率、指揮管理したことはないでしょうか。
そのような経験も、十分にマネジメント能力があることを示すエピソードとなり得ます。
スキルなし転職のコツ2:資格重視の業界を目指す
専門知識や技能が身についたり、リーダーのようなポジションを任せられたりするような環境で働いていない場合もあるでしょう。
その場合は、働きながら資格取得し、資格が必要な職場への転職を目指すのも1つの方法です。
たとえば、介護関係であれば40代・未経験でも挑戦しやすく、介護職員初任者研修からはじめ、介護福祉士実務者研修→介護福祉士→ケアマネージャー・認定介護福祉士と明確なキャリアパスがあるため、キャリア設計がしやすいです。
スキルなし転職のコツ3:40代に強いアドバイザーに相談する
ハイキャリア・ハイスキルである場合は別として、そうではない40代にとって転職は厳しいのが実情です。
ひとりでの転職活動には限界があるため、転職エージェントを利用しましょう。
プロのキャリアアドバイザーがつき、丁寧なキャリアカウンセリングをもとに自分では気づかなかったスキルや強みを引き出してくれます。
40代で応募可能な求人はあまり多くなく、自分で探していてもそもそも見つからないことも多いです。
転職エージェントは一般に公開されていない案件も豊富にもっているため、合う求人を紹介してくれるでしょう。
ただし、ハイキャリア求人を中心に扱う転職エージェントの場合、スキルなしの40代が登録しても「紹介できる案件がない」といわれてしまう可能性が高いため、注意しましょう。
スキルなしで転職を考える時の3つの注意点
いうまでもなく、転職市場は優れたスキルを持つ人材が強く、スキルなしで成功するのは容易ではありません。
スキルなしで転職を希望する場合、以下の3点について留意しておきましょう。
- 注意点1:転職後に年収が下がることも考慮する
- 注意点2:転職先に求める条件を絞りすぎない
- 注意点3:未経験も受け入れる業界・業種を目指す
注意点1:転職後に年収が下がることも考慮する
「給料や待遇が悪いから現職を辞めたい」と考える人は多いでしょう。
しかし、優れたスキルなしで転職する場合、年収が下がる可能性は高いです。
その職場で一からのスタートとなるため、多くのケースで新卒時の給料に少し上乗せされた額になる程度でしょう。
転職エージェント経由の転職であれば、キャリアアドバイザーが企業に年収を上げるよう交渉してくれることもありますが、スキルなしでは武器となるものがないので、必ずしも上がるとは限りません。
年収アップを譲れない条件にすると応募できる求人が減りますので、一定の妥協は必要です。
注意点2:転職先に求める条件を絞りすぎない
転職するなら今より良い環境・待遇の職場にしたいものです。
しかし、だからといって希望条件があまりに多くなると、マッチする求人が減ってしまうため、注意しましょう。
また、好条件であるほど応募する人も多く競争率が高くなります。
よほどうまくアピールできなければ、スキルなしで勝ち上がるのは難しいでしょう。
どうしても譲れない点だけを希望条件とし、ある程度は譲歩することが大切です。
注意点3:未経験も受け入れる業界・業種を目指す
営業や接客業、介護業などは未経験からでも挑戦しやすく、採用される可能性が高い職場です。
また、一定の知識は必要ですが、IT系も未経験で応募できる案件がよくあり、オンラインスクールなどで学んで応募するケースもしばしば見受けられます。
このように、未経験でも採用されやすい業界・職種へのキャリアチェンジを図るのも1つの方法です。
ただし、「採用されやすそうなところならどこでもいい」で転職先を決めてしまうと、働き始めてから「こんなはずではなかった」とまた転職を繰り返すことになりかねません。
自分が何をしたいのか、どんな仕事ならやりがいを感じるかを考え、未経験可能な業界・職種のなかでも実現できそうな企業を選ぶことが大切です。
スキルなしの転職は年代別のコツを考慮しながら活動を
スキルなしで転職を成功させるためには、年代別のコツを押さえて活動することが大切です。
20代と若ければ、明確な志望動機を述べ、仕事への熱意や意欲をアピールできればスキルなしでも内定を獲得できるでしょう。
30代、40代と年齢が上がると、スキルなしでの転職は難易度があがります。
未経験可能な業界や職種を視野に入れる、転職エージェントも活用するのも良い方法です。
これまで述べてきたコツを押さえて活動し、転職活動を成功させましょう。
