年齢やブランクを理由に、50代女性の転職は厳しいと思われがちです。しかし近年、50代女性の働き手としてのニーズは高まっており、正社員での転職も増加傾向にあります。
50代女性の転職事情や、成功のための4つのコツ、おすすめの転職サイトをご紹介します。
50代の女性は転職が難しいと言われるけれど転職できるの?
50代の女性は、転職したいと思っても年齢やブランクを考えてしまい躊躇してしまいがちです。
確かに50代女性の転職は楽な道ではありませんが、実はこの年代ならではの強みもあり、正社員への転職もじわじわと増えています。
50代女性の転職事情と、転職を成功させる4つのコツをご紹介します。
50代で転職を考える女性の転職事情
50代女性の転職事情を下記の3点から解説します。
50代女性の転職を成功させるための糸口を理解してから、転職活動を始めましょう。
- 50代女性を対象とした求人もある
- 働き方改革により50代女性も労働力と見なされる
- 若い世代に比べて制約が少なく戦力になりやすい
50代女性を対象とした求人もある
人材は若いうちから育てる方が良いとする日本の風習は根強く、転職市場で最も有利なのは20代。
50代女性の転職活動は、正社員求人に絞るとなかなか厳しいかもしれません。
しかし業種を変えてみたり、パートや派遣勤務など、少し条件を落としてみると意外なほどに求人が多く見つかります。
人事業界全体では、ここ数年有効求人倍率が1倍を超えており、企業は人材不足に陥っています。
コツを掴んで企業探しをすれば、50代女性にも転職への道があるのです。
働き方改革により50代女性も労働力と見なされる
2019年4月より、働き方改革関連法案の施行が始まり、政府の掲げる「一億総活躍社会」の実現に向けて日本が動き始めました。
少子高齢化により働く人口が減少していく中で生産性を確保するため、働き手を増やし、労働生産性を高める施策が実行されています。
働き方改革の柱の一つが、現在就労していない女性や高齢者などの就労促進。
この流れの中、50代女性も貴重な働き手として、熱い視線を浴びているのです。
若い世代に比べて制約が少なく戦力になりやすい
50代女性は、若い世代の女性に比べると労働時間の制約が少ないというメリットも。
昔に比べ、結婚や出産のために退職する女性はかなり少なくなりました。
しかしその結果、子育て世代の女性たちは育児休暇や時短勤務など、働く時間に制約がある人が多く、これは企業の懸念材料にもなりがちです。
一方で50代の女性は、子育てもひと段落してフルタイムで働ける上、働くための体力もまだあるという方が多いため、戦力として捉える企業が多いのです。
50代女性の正社員/パートで働く人の割合
実際に、50代女性で働く人の割合はどのくらいなのでしょうか。
総務省統計局発表の「就業状態等基本集計結果」を見ると、50代男女の雇用形態別の就業者割合が次のように示されています。
性別(雇用形態) | 50~54歳 | 55~59歳 |
男性(正社員) | 75.0% | 69.5% |
男性(派遣/アルバイト等) | 6.4% | 8.1% |
女性(正社員) | 37.4% | 34.5% |
女性(派遣/アルバイト等) | 51.1% | 50.3% |
各項目ごとに数値を見ていきましょう。
50代前半で正社員として働く女性は37.4%
50代前半で正社員で働く女性は37.4%。
同じ50代前半でも、男性の正社員で働く割合は75.0%ですので、約半分の数値にとどまっています。
50代後半で正社員として働く女性は34.5%
50代後半になると、正社員の割合は約3%下がり、34.5%です。
こちらも同じ年代の男性が69.5%であることに比べると、約半数という結果に。
50代女性の正社員が少ない背景には、現在50代の方々が20代、30代だった頃には、女性は結婚や出産を機に退社するのが一般的で、社会的に女性が家庭での役割を強く求められていたことがあるでしょう。
50代前半で派遣/パートとして働く女性は51.1%
一方で、派遣/パートの就業者の割合は高く、50代前半女性の51.1%が派遣/パート社員として働いています。
働く意欲や必要はあるものの、出産や子育て、親の介護などこれまでのライフイベントに合わせ、女性が働き方を変えてきた結果が表れた数値と言えそうです。
50代後半で派遣/パートとして働く女性は50.3%
派遣/パートで働く50代後半女性の割合は、50.3%。
50代前後半ともに、半数以上の女性が派遣/パートとして働いていることがわかりました。
雇用形態にかかわらず、働く人の割合だけで見ると、50代後半女性で84.8%、50代前半女性で88.5%にもなります。
ブランクを理由に転職に踏み出せずにいる方も、勇気が湧く数字だと思いませんか?
50代女性の転職を成功させる4つのコツ
それでは、実際に50代女性が転職活動を始めるにあたり、押さえておきたいコツをご紹介します。
若い世代と比べて年齢を悲観するのではなく、年を重ねたからこその強みがあると考えを変えましょう。
同時に、今自分が持っているスキルを客観的に判断し、妥協できる部分は妥協することも必要です。
以下4つの点に絞ってお伝えします。
- 企業のニーズと自分のスキルを照らし合わせる
- 協調性や柔軟性をアピールする
- 職業にこだわりを持ちすぎない
- 転職に有利な資格をとる
①企業のニーズと自分のスキルを照らし合わせる
一つ目のコツは、企業のニーズと自分のスキルを客観的に把握すること。
転職活動において、採用担当者が見る最も重大なポイントは「即戦力になるか否か」です。
これまでの就業経験で培ってきたスキルを全て紙に書き出し、関連する資格や、扱えるツールやソフトも一緒に洗い出します。
資格やツールを一緒に出すことで、選考の場でも具体性のあるアピール材料になります。
それをもとに、今の自分で即戦力になれる仕事を探してみるのがおすすめです。
②協調性や柔軟性をアピールする
50代女性ならではの強みと言えるのが、協調性や柔軟性。
人生経験豊富な女性ならではの人間的な柔らかさは、特に接客業や福祉業界などで強いアピールポイントになります。
そういった業界は、未経験やブランクありでも、正社員として採用される可能性も十分にあります。
③職業にこだわりを持ちすぎない
日本では若いうちに優秀な人材を確保して育てるという風潮が主流であるため、50代女性の転職活動が厳しいものであるのは事実です。
もし現在正社員で働いているのなら、よほどの理由がない限り辞めない方が得策でしょう。
転職で正社員になれる職種には、体力的に厳しい、給与が安い、シフトが不規則などのデメリットがあることも。
雇用形態を正社員に絞らず契約社員やパートでも探してみる、経験のある職業にこだわらず、新しい職種にも目を向けるなど、転職者も視野を広く持つ必要があるでしょう。
④転職に有利な資格をとる
資格を持っていることで、転職を有利に進めることができるほか、転職後の給与面などで優遇されることも。
比較的学びやすくて転職にも役立つのは、IT系や医療事務、介護業界の資格などがあります。
すぐに転職先を探さなくてはならないという場合でなければ、自由時間があるうちに転職準備として資格を取得するのもおすすめです。
50代女性の転職に強い おすすめ転職エージェント3選
ここからは、50代女性の転職におすすめの転職エージェントをご紹介します。
転職を扱うサイトやエージェントは多数ありますが、対象年齢層や得意とする業種が異なる場合があります。
年齢や、目標とする業界に合ったサービスを利用するのがおすすめです。
3位 リクナビNEXT
リクルートが運営する転職サイト「リクナビNEXT」は、転職者の8割が登録しているという国内最大手の転職サイトです。
求人数の多さと幅広い地域・年齢層に対応しているのが強みで、50代で応募できる求人も多数掲載されています。
未経験可の求人数も多いため、条件はともかく正社員で探したいという方にもおすすめの転職サイトです。
2位 インディード
テレビCMでもおなじみの「インディード」。
一般的な採用サイトとは異なり、インターネット上のあらゆる採用情報を集めている求人検索サイトであり、ゆえに掲載求人数もけた違いの多さです。
働きたい条件×自宅の近くなど、かなり絞り込んだ条件でもたくさんの求人情報を見ることができるでしょう。
ハローワーク、採用サイト、企業の採用ページなど、通常一括では見られない情報を一度に検索でき、選考状況も保存しておけるため、転職活動の現状確認用としても便利なサイトです。
1位 マイナビミドルシニア
50代女性におすすめの転職サイト第1位は、株式会社マイナビが運営する「マイナビミドルシニア」。
40~60代に特化した求人サイトで、よくあるエリア検索方法に加え、「主婦(夫)スキル」なども選べる「活かせる資格・スキルから探す」、同年代と働ける企業を探せる「活躍中の年代から探す」など、ユニークな検索方法が特徴。
2020年3月にサイトがリニューアルされ、北海道から沖縄まで対象地域が全国に広がりました。
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