50代転職で手取り20万は妥当?生活シミュレーションと採用本音

腕を組んで落ち着いた表情を見せる50代の男性
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手取り20万円という条件の求人を前に、「この年齢でこの金額は妥当なのか」「これで暮らしていけるのか」と立ち止まっている方は多いと思います。

私は経営コンサルタント(中小企業診断士)として企業の相談に乗りつつ、調剤薬局を経営する立場で採用にも関わっています。その経験から、私はこう考えます。手取り20万円という具体的な金額で情報を探すのは、生活設計への不安の表れです。数字だけを眺めていても不安は消えません。数字に生活シミュレーションを添えて、初めて自分の暮らしとして想像できるようになります。

この記事では、手取り20万円が額面でいくらにあたるのかを計算し、仮定の数字で生活の一例を示します。そのうえで、採用する側が給与をどう決めているか、求人を選ぶときにどこを見ればよいか、収入を上げる選択肢まで、順にお伝えします。

目次

手取り20万円は額面でいくら?年収換算の目安

手取りとは、給与の総額(額面)から社会保険料や税金が引かれたあとに、実際に口座へ振り込まれる金額です。引かれる額は年収や年齢、家族構成、住んでいる地域によって変わるため、一律には言えません。

ここでは分かりやすくするために、引かれる割合を2割と仮定して計算します。手取りが額面の8割なら、手取り20万円は額面で25万円(20万円÷0.8)です。月25万円の額面を12か月分で計算すると、年収は300万円になります。これは賞与が出ない場合の目安です。

賞与が年に2か月分出る会社なら、額面は25万円×14か月で350万円になります。ただし、賞与があると毎月の額面は同じでも、賞与からも保険料や税金が引かれます。求人票の「月給20万円」と「手取り20万円」は別の話ですので、混同しないようにしてください。

控除の割合は、扶養する家族がいるか、住民税がどれくらいかかっているかでも動きます。2割というのはあくまで計算を単純にするための仮定です。実際の金額は、内定後に会社から示される給与明細の見本や、内定時の条件通知で確かめてください。

年収400万円の場合の手取りと暮らしの目安については、上の記事で詳しくまとめています。手取り20万円の場合と見比べると、収入が上がったときの生活のイメージがつかみやすくなります。

手取り20万円での生活シミュレーション(仮定の一例)

次の表は、手取り20万円の一人暮らしを想定した、毎月の支出の一例です。あくまで仮定の数字で、統計や公的な平均値ではありません。住む地域や持ち家か賃貸か、車の有無によって大きく変わります。ご自身の家計簿や通帳の数字に置き換えて、考える材料にしてください。

項目月の金額(仮定)前提
家賃6.5万円地方都市の賃貸を想定
食費4.0万円自炊中心を想定
光熱費1.5万円電気・ガス・水道の合計
通信費0.8万円スマホと自宅の回線
医療費1.0万円通院や薬代。年齢とともに増えやすい
日用品・被服費1.2万円
交通費1.0万円通勤手当が出る場合は別
保険料など1.0万円民間の保険に入っている場合
交際・娯楽費1.5万円
貯蓄1.5万円残った額を貯蓄に回すと仮定
合計20.0万円

この仮定では、家賃を含めた毎月の支出が18.5万円で、貯蓄に回せるのは1.5万円です。年に直すと18万円です。突然の出費や病気が重なると、貯蓄はすぐに取り崩すことになります。

一方で、家賃が1万円下がれば貯蓄は倍近くになります。固定費の中で最も大きいのは家賃ですから、手取り20万円で転職するなら、住まいの費用をどう抑えるかが生活設計の中心になります。

ご家族を扶養している場合は、この表に教育費や配偶者の医療費などが加わります。そのときは、配偶者の収入や、お子さんの独立の時期も含めて見直す必要があります。数字だけで「足りる、足りない」を決めず、いつまでにいくら必要かを書き出してみてください。

採用側は給与をどう決めているのか(経営者目線)

求職者の方が気になるのは、「同じ仕事なのになぜ会社によって給与が違うのか」という点だと思います。私が経営と採用の両方に関わる立場で見ていることをお伝えします。

まず、給与は会社が担当してほしい仕事の中身と責任の重さで決まります。管理や教育を任せる人と、決まった業務を安定して行う人とでは、金額の組み立て方が違います。年齢そのものを理由に給与を決める会社は、実は多くありません。

次に、会社の人件費全体の枠があります。中小企業では、すでに働いている社員との給与のバランスも大切です。新しく入る人だけを高くすると、既存の社員の不満につながります。そのため、提示額に限度が出ることがあります。

そして、入社後すぐに役に立てる人なのか、育てる時間が必要なのかも判断の材料になります。経験を活かしてすぐ戦力になる仕事なら、条件の相談に応じやすくなります。反対に、未経験の業務へ挑戦する場合は、最初の給与が低めになるのが一般的です。

採用する立場として私が重視するのは、金額の高さよりも、長く安定して働いてもらえるかどうかです。手取り20万円の求人でも、その会社で5年、10年と続けられるなら、総額では大きな価値になります。面接では、希望額を伝えると同時に、自分がどんな形で貢献できるかも話すと、条件の話し合いが前に進みやすくなります。

手取り20万円の求人を選ぶときに見るポイント

同じ手取り20万円でも、働き方や会社の制度によって、実際の暮らしやすさは大きく変わります。求人を見るときは、次のような点を確認してください。

一つ目は、勤務時間と残業の扱いです。月給に残業代があらかじめ含まれている会社では、基本給が低く、残業をしないと20万円に届かない場合があります。求人票の「固定残業代」の記載は、確認しておきたい部分です。

二つ目は、福利厚生です。通勤手当や住宅手当、家族手当があれば、同じ額面でも手元に残るお金が変わります。社会保険に加入できるかどうかも、将来の年金や医療の負担に関わります。

三つ目は、退職金の有無です。50代で入社すると、退職金の対象になる勤続年数に届かない場合もあります。制度があるかどうか、あるなら入社して何年目から対象になるのかを、面接の場で聞いて構いません。

四つ目は、続けやすさです。体力的に無理のない仕事か、通勤時間は長すぎないか、職場に年齢の近い人がいるかなどです。収入が同じなら、長く続けられる職場のほうが、結果として総収入は多くなります。

五つ目は、副業や副収入の可否です。副業を認めている会社なら、本業で手取り20万円でも、別の収入で家計に余裕をつくれる可能性があります。ただし、就業規則で禁止している会社もありますので、事前に確認してください。

求人を広く見比べたいときは、担当者に無料で相談しながら進められるサービスもあります。例えば、ユメキャリ転職エージェントは、登録から内定まで無料で、現役の企業人事が書類添削や面接対策を担当するとされています。

収入を上げるための選択肢

手取り20万円という条件が、今の自分に合わないと感じたら、収入を上げる道もいくつかあります。すぐに全部を行う必要はありません。できそうなものから考えてみてください。

一つは、資格の取得です。仕事に直接つながる資格は、経験の裏付けになり、条件の話し合いで有利に働くことがあります。ただし、資格を取ればすぐに給与が上がるわけではありませんので、募集している仕事で求められているかを先に調べておくことが大切です。

もう一つは、職種の変更です。同じ経験でも、職種によって給与の水準が違います。これまでの経験を別の職種でどう活かせるかを整理し、求人の内容と照らし合わせてみてください。

三つ目は、転職サービスの活用です。非公開の求人や、自分では探しにくい求人にも出会えることがあります。求人の数が多いサービスを使うなら、職種を問わず広く見たい人に向いています。以下のサービスも参考にしてください。

職種を問わず求人を広く探したい人は、リクルートエージェントが向いています。

まとめ

手取り20万円は、2割の控除を仮定すると額面25万円で、賞与がなければ年収300万円が目安です。ただし、賞与の有無や家族構成で、実際の数字は変わります。

表で示した生活シミュレーションは、あくまで仮定の一例ですが、家賃と医療費の動きによって、貯蓄に回せる額が変わることは分かると思います。ご自身の数字で一度試算してみてください。

採用側は、仕事の中身と責任、会社の人件費の枠、入社後の貢献度を見て給与を決めています。求人を選ぶときは、金額だけでなく、勤務時間、福利厚生、退職金、続けやすさ、副収入の可否まで見て、トータルで判断してください。

不安を抱えたままで動くよりも、数字と生活を結びつけて見ると、次に何をすればよいかが見えてきます。焦らず、一つずつ確認しながら、納得できる転職を進めてください。

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